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【電子版】太鼎堂便り2026年秋号 自分の人生を生きていますか?

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横浜 鶴見にある鍼灸院が
取材、編集、配布まですべて地域の方と一緒に作っている地域密着型健康情報誌です。
整理された質の高い情報を「元気になれ!」の気持ちを込めてお届けしています。

元気な毎日、安心な地域で、子どもたちが笑顔で過ごせますように!

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自分の人生を生きていますか?
情報にまみれた現代で、自分を見失わない

 

【あなたの意識は今どこを向いている?】

 毎日を忙しく過ごしていると、自分のことを考えているようで、実は「自分以外のこと」ばかり考えている人ばかりです。

 朝起きてスマートフォンを見る。
ニュースを読む。SNSを眺める。
電車の中でも、仕事の合間でも、家に帰ってからも、たくさんの情報が目に飛び込んできます。

「有名人がこんなことしている」
「世間ではこれが流行っている」
「これが身体にいいらしい」
「こうするのが正しいらしい」

私たちは、ほんの少し前の時代とは比べものにならないほど、たくさんの情報に囲まれて暮らしています。
ではその一方で、いま自分の身体がどう感じているか。そこに意識を向ける時間は、どれくらいあるでしょうか。

 治療をしていると、よくこんなことがあります。

 「体調はいかがですか?」と尋ねると「元気です」や「特に問題ありません」と答える方。
ところが、実際に身体を拝見してみると「痛い!」「私のお腹こんなに硬かったんですね」「先生の手が温かいということは私の体冷えてたんですね」なんて、治療を通して、自分の身体に起きていたことに初めて気づく方がいます。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
人間には慣れる力があります。忙しい毎日を過ごすために、小さな違和感をいちいち気にしていられませんからね。
ただ、それが積み重なっていくと、いつの間にか、「自分の身体で起きていることを自分が一番知らない」ということが起こります。
不思議なことですが、これはとても興味深いことだと思うのです。

 

【自分の外側には、
たくさんの「誰かの答え」がある】

 現代には「答え」があふれています。
何を食べればいいのか。どう運動すればいいのか。
何時間眠ればいいのか。どんな生き方をすれば幸せなのか。
調べれば、誰かが答えを教えてくれます。
しかも、その答えには「いいね」の数や、口コミ、ランキングまでついています。
だから私たちは、いつの間にか、「私はどう感じるんだろう?」よりも、「みんなはどう言っているんだろう?」を先に考えるのが当たり前になりすぎてはいないでしょうか?
他人の評価や情報を参考にすることも、意味のあることです。
問題なのは、それによって自分自身の感覚が聞こえなくなってしまうことです。
外側の情報が大きくなればなるほど、自分の内側から聞こえてくる声はかき消されてしまうのです。

 いまここで、一度試してみてください。

 今、何が見えますか?どんな音が聞こえていますか?
暑いでしょうか、寒いでしょうか?
この冊子を持っている指は、どの部分で紙を感じていますか?
今している呼吸は深いでしょうか、それとも浅いでしょうか?
お腹はどれ位空いていますか?
疲れているとして、どこが疲れているでしょうか?
なんとなく気持ちがいい。落ち着かない。楽しい。寂しい。
どんな感覚でも構いません。自分の内側に尋ねてみてください。
それは、AIに聞いてもインターネットで検索しても出てこないあなただけの情報です。
今、この瞬間のあなたにしか分からないことです。
身体は、いつも何かを感じています。
私たちは身体を通して世界に触れ、身体を通して今を生きています。

 

【あなたが感じることは、
生命の歴史から見ても唯一無二】

 少し大きな話をしてみましょう。
私たちの命は、突然ここに現れた訳ではありません。
両親がいてそのまた両親がいて、その更に前にも誰かがいる。
数え切れないほどの人達が命をつないできた、その先に今の自分がいます。
その長い長い時間の中で、今のあなたの身体で生きられる時間は、今しかありません。
誰かの身体を借りて生きることもできません。
誰かに代わりに感じてもらうこともできません。
どんなに大切な人であっても、自分の痛みや心地よさを、まったく同じように感じてもらうことはできないのです。
そう考えると、自分の身体で感じるということは、当たり前のようでいて、実はとても特別なことだと思うでしょう?

 

【「私はどうしたい?」から始めてみる】

 自分に聞いてみてください。
「私は、何をどう感じている?」そしてもう一つ。
「私は、本当はどうしたい?」今日は何を食べたいのか。
少し歩きたいのか、休みたいのか。
誰かと話したいのか、一人でいたいのか。
身体を動かしたいのか、ぼーっとしたいのか。
そんな小さなことからで構いません。
自分の感覚に気づくことは、わがままになることとは違います。
自分の内側から出てきたものを一度受け取ったうえで、周りの人や社会との関係を考えていけばいい。
自分を知ることと、他人を大切にすることは、両立できます。
大切なのは「順序」なのです。
まず自分を大切にする。そして周りを大切にする。
むしろ自分の感覚が分かるからこそ、他人の感覚が自分とは違うことにも気づ
けるのではないでしょうか。

 少し慣れた方はマインドフルネスや坐禅や瞑想など行う方もいらっしゃいますが目的は近いのだと思います。
「今、ココ」を感じる。自分の内側の声に耳を傾け、自分という存在だけに集中する。

 実際には、もっと身近なことで向き合うことは可能です。
例えば、洗濯物を干しながら「今日は綺麗に干せたな」とか「お日様によく当たっていて気持ちいいな」とか、
ハミガキしながら「奥歯もしっかり磨こう」とか、靴を履く時も「靴紐を大切に結ぼう」とか。
些細な生活の中で【自分の動作に全集中する】と、自然と自分の思いが出てくるものです。
「こうした方が綺麗にみられる」や「前にSNSで見た」など外の情報は置いておいて、自分から生まれる「実感」だけに集中してみてください。

 

健康とは、「自分の人生を生きる手段」

 健康というと、病気がないことや、検査の数値が正常であることを思い浮かべるかもしれません。

もちろん、それらも大切です。でも私たちは、健康にはもっと大切な側面があると考えています。
それは、自分を感じられること(自分の実感を大切にできること)、そして、自分の人生を大切に生きられること。

 身体の小さな変化に気づく。疲れたら、疲れたと分かる。
心地よいときには、心地よさを味わう。
自分の内側から湧いてきた「こうしたい」を、大切にしてみる。
そんな小さな積み重ねが、「自分の人生を生きる」ということにつながっていくのではないでしょうか。
この一冊では、そのためにまず、自分の身体に目を向けることから始めてみたいと思います。
たくさんの情報に囲まれている今だからこそ、外からの情報を見るのをやめて、自分の身体に戻ってみる。
それが自分の人生を生きるということなのだと思うのです。

 さて、今、あなたは何を感じていますか?

 

文責:髙橋

 

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